多焦点眼内レンズの摘出、単焦点レンズへの入れ替え症例

多焦点レンズは完全に人間の水晶体と同様の働きが出来る人工臓器ではありません。

これまでお伝えしたように、「視力の質」におて、いくつかの欠点があります。

とはいえ実際にはこれらの欠点よりも、遠方近方両方が見えるというメリットの方が大きく勝っています。

ハロー、グレアについて

光のまわりにぼやけた光のリングが見える症状をハロー、夜間に光が非常に眩しく感じる症状をグレアと呼びます。

多焦点眼内レンズはレンズの構造上、単焦点眼内レンズに比べて見え方の質が落ちたり、ハロー、グレアといった光のにじみもより強く出たりすることがあります。

単焦点レンズでも全くこうした現象が出ないわけではありません。しかし、従来の多焦点眼内レンズよりも単焦点眼内レンズのほうがこうした症状が出にくいことは良く知られています。

国内外の報告でも、概ね9割強の方が満足をしています。

ただ、残り1割弱の不満例の中で、上記のようなハロー、グレア症状が認容できず、再手術によって単焦点眼内レンズに入れ替えるケースが、国内では、1.2%程に認められるという医学研究が報告されています。

(参考文献 :

Kamiya K, Hayashi K, Shimizu K, Negishi K, Sato M, Bissen-Miyajima H; Survey Working Group of the Japanese Society of Cataract and Refractive Surgery: Multifocal intraocular lens explantation: a case series of 50 eyes. Am J Ophthalmol.158: 215-220, 2014. )

 

進化を続ける多焦点眼内レンズ

遠くも近くも裸眼で良く見える、老眼から解放される、といった視機能回復メリットの大きい多焦点眼内レンズです。

例え自費診療となっても、多くの方がこのレンズを選択されることは当然とも言えます。

しかし、前述したように「単焦点眼内レンズに“比較“して、多焦点レンズが劣っている部分」も存在します。

反対に言うと、上記の「ハロー、グレア」現象が改善されると、全ての面で単焦点レンズより多焦点レンズの方が優れることになります。

そのための改良を多くのメーカーがチャレンジしているのです。

その結果、「ハロー、グレア」問題をほぼ解消する多焦点レンズが登場しました!

 

■EDOF(イードフ) 多焦点レンズ

EDOF(Expanded Depth of Field)眼内レンズとは、焦点を結ぶ距離が広いレンズです。そのため「多焦点」というより「連続焦点」とも言えるレンズです。
「焦点深度拡張型眼内レンズ」と呼ばれることもあります。

今までの多焦点眼内レンズの多くは、「回折現象」を利用して遠くと近くに焦点を分配し、遠近両用とするものでした。

そのためお伝えしたような、夜間に光の周りにリングが見えたり、まぶしく見えたりするハロー、グレアという現象が生じることが多かったのです。EDOF(イードフ)レンズは、独自の理論に基づき焦点の領域を広げる構造になっています。

回析型レンズと比較して、ハロー、グレアが大きく軽減され、夜間もより自然な見え方に近づきました。単焦点眼内レンズでもハロー、グレアは実際には生じているのですが患者さんが特に問題にされないようなのです。

EDOFレンズは単焦点レンズ並みのハロー、グレアしか生じないと言われています。
当院で現在取り扱っているEDOFレンズはSymfony(シンフォニー)とMiniwell(ミニウェル)の2種類です。

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