緑内障と白内障の違いは?

緑内障と白内障の違いは?

 

患者さんからしばしば、

「緑内障と白内障はどう違うのですか?」

とよく聞かれます。

 

日本語ですと“緑”と“白”の一字違いですので、似たような病気だと思っている方も多いようです。

 

ところが全く別の病気です。

 

「別の病気ということは知っているが、どちらかがタチの悪いほうやな~(笑)」

といった認識で、どちらが“タチ”が悪いのか、やはり混乱している患者さんも多いです。

 

実は私も学生時代は、区別がついていませんでした (^^;

医学部の6年生になって、眼科の勉強を始めてからその違いを知ったのでした(笑)

 

さて本題に戻ります。

 

緑内障も白内障も40歳頃から徐々に増えてくる病気です。

老眼とは初期の“白内障”です。

物を見るときにピント合わせをする役目をしている「水晶体(レンズ)」が濁り、更には硬くなってピント合わせの幅が狭くなります。このピント合わせの“融通が効かなくなった”状態が老眼なのです。

このように白内障は眼の中の水晶体が濁ることにより起こりますが、手術をすれば視力は回復します。

 

対して緑内障は「視神経が傷んで行く」病気です。一度、視神経に障害を受けると、二度と元には戻らない(とされている)病気です。そのために、早期発見と早期治療が重要です。

 

“(とされている)”と記載したことには理由があります。当院で行っている高濃度水素吸入療法や、高濃度ビタミンC点滴で、“治らない”とされている視野欠損(視界の中で部分的に見えない場所が起こること)の改善例が、何人も確認されているからです。

 

緑内障の詳細については、当院のホームページをご覧ください。

 

緑内障には様々な病型があります

30種類ほどの病型があると言われています。これだけ多くの詳細な分類がなされているのも“緑内障”という病気の特徴です。一口に緑内障と言っても、内容は全く異なる場合が多いのです。

その中の一つ、特に白内障と関連が深い緑内障の一つとして、原発閉塞隅角緑内障があります。

目の中を循環している水(房水)があります。この房水は血液から作られます。

房水は血液から産生され、眼球内を満たしています。しかし、房水は眼球内から出ても行きますので、その房水の出口が狭くなると、眼圧が上がってしまうタイプが原発閉塞緑内障です。

急性で起こってしまうと、「急性緑内障発作」と呼ばれる”発作症状“が出現するのです。

普段から小さい発作を起こしていても気付かない場合も多いようです。単なる頭痛や気分の悪さと思って、「目の発作症状」であることに気付いていない方が多いです。

それが突然「大発作」として急激な眼圧上昇を起こされる方が、年に何人も受診されています。

具体的には頭痛、吐き気が主な症状となるため、眼科疾患と思わずに内科や脳外科を最初に受診される方が多いようです。

私の病院勤務時代には、急激な眼圧症状を起こした方が救急車で夜中に受診されるケースが珍しくありませんでした。

この「急性緑内障発作」を起こしやすい目は、「狭隅角眼」と言って若いころに視力に自信があった方、特に女性に多いのです。

緑内障治療目的で白内障手術?

 

狭隅角眼、もしくは既に原発閉塞緑内障として眼圧が高い方では、

「緑内障発作を起こす可能性が高い体質です。将来の緑内障発作を予防するために白内障手術をしたほうがいいです。」
と治療をお勧めすることが多いです。

これまではレーザーで虹彩(茶目の部分)の端に直径200マイクロメーター(1/5mm)程度の穴を開けて急性発作の確率を下げる治療を第一選択としていました。

しかし、この状態の根治治療には、白内障手術が非常に有用であることが分ってきました。

「緑内障なのに白内障手術がなぜ必要なの?」

と、疑問に思われるでしょう。

厚みのある水晶体が原発開放隅角緑内障の原因となります。

そのため、水晶体に比較して厚みの薄い眼内レンズに入れ替えることで、房水の出口が大きく広がります。

急性緑内障発作を起こしやすいと言われるかたは、眼球が小さく、遠視眼です。眼内レンズを挿入することにより、遠視を解消することもできます。そのため単焦点眼内レンズでも遠くも近くも良く煮えるようになって、お喜びになられる方が多いです。

そのため私はこの様な方には特に早めの白内障手術をお勧めすることが多いです。

放置するとかなりの確率で緑内障の悪化を生じることがあります。

 

参考までに緑内障の発見が遅れるケースが多く、緑内障患者の80%が病気に気づいていない潜在患者と言われています。

 

眼圧を下げる

 

お伝えしたように原発閉塞隅角緑内障には白内障手術が有効です. 房水の出口(隅角)がもともと狭いことが原因でおこる閉塞隅角緑内障は、加齢とともに水晶体が厚くなることでさらに房水の出口が狭くなり、眼圧が上昇しやすくなるからです。このタイプの緑内障には、水晶体を摘出する白内障手術が有効であることは、再度強調させてください。

 

尚、原発閉塞緑内障に限らず、多くのタイプの緑内障患者さんで白内障手術を行い「眼圧が下がる」という効果が出る方が多いです。

特に「正常眼圧緑内障」が日本人に多いのですが、もともと眼圧が低めの患者さんでも白内障手術で眼圧が下がり緑内障の予防効果に繋がるのです。

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