遠くも近くも裸眼で良く見える、老眼から解放される、といった視機能回復メリットの大きい多焦点眼内レンズです。
例え自費診療となっても、多くの方がこのレンズを選択されることは当然とも言えます。
しかし、「単焦点眼内レンズに“比較“して、多焦点レンズが劣っている部分」も存在します。
一番問題視されるのは単焦点眼内レンズに比べて、多焦点眼内レンズでは「ハロ・グレア」現象が生じやすい点です。
この問題が改善されると、ほぼ全ての面で単焦点レンズより多焦点レンズの方が優れることになります。
そのための改良を多くのメーカーがチャレンジしているのです。
その結果、「ハロ・グレア」問題をほぼ解消する多焦点レンズが登場しました!
それがこれまで繰り返しコラムにアップした「EDOFレンズ」です。
■EDOF(イードフ) 多焦点レンズ
EDOF(Expanded Depth of Field)眼内レンズとは、焦点を結ぶ距離が広いレンズです。そのため「多焦点」というより「連続焦点」とも言えるレンズです。
「焦点深度拡張型眼内レンズ」と呼ばれることもあります。
今までの多焦点眼内レンズの多くは、先に述べたように回折現象を利用して遠くと近くに焦点を分配し、遠近両用とするものでした。
そのためお伝えしたような、夜間に光の周りにリングが見えたり、まぶしく見えたりするハロー、グレアという現象が生じることが多かったのです。EDOF(イードフ)レンズは、独自の理論に基づき焦点の領域を広げる構造になっています。
回析型レンズと比較して、ハロー、グレアが大きく軽減され、夜間もより自然な見え方に近づきました。単焦点眼内レンズでもハロー、グレアは実際は生じているのですが、EDOFレンズは単焦点レンズ並みのハロー、グレアしか生じないと言われています。
当院で現在取り扱っているEDOFレンズはSymfony(シンフォニー)※とMiniwell(ミニウェル)の2種類です。
今回は、日本で先進医療の適応となっているシンフォニーについてお伝えします。
※シンフォニー(光学部後面がエシェレット回折構造)
今までの多焦点眼内レンズとシンフォニーの違い
何より、遠方から近方にかけて、視力の落ち込みが少なく、特にこれまでの多焦点眼内レンズが苦手としていた遠方から中間の距離(70cm~50cmくらい)まで生理的な状態に近い見え方が得られることです。
しかし、回析型レンズに比べて30cm程度の近方が弱い場合があります。個人差がありますが、読書など手元を見る時は、眼鏡をかけてもよい人におすすめします。
<視力の推移比較>
(ジョンソン&ジョンソン社提供)
夜の見え方に高い満足度!
ハローやグレアが単焦点眼内レンズと同じレベルと報告されています。他の多焦点レンズに比べて軽減されており、夜間の見え方において強い不満を訴えた患者さんは3%未満という統計報告があります。これは単焦点眼内レンズ並みであり、EDOFレンズを選ばれたほとんどの方が昼間だけでなく夜間視力にも満足されています。
ハロー、グレアについて
光のまわりにぼやけた光のリングが見える症状をハロー、夜間に光が非常に眩しく感じる症状をグレアと呼びます。
■シミュレーションによる比較画像(写真はジョンソン・エンド・ジョンソン社提供)
他の多焦点レンズ
EDOFレンズ
多焦点眼内レンズはレンズの構造上、単焦点眼内レンズに比べて見え方の質が落ちたり、ハロー、グレアといった光のにじみもより強く出たりすることがあります。
単焦点レンズでも全くこうした現象が出ないわけではありません。しかし、従来の多焦点眼内レンズよりも単焦点眼内レンズのほうがこうした症状が出にくいことは良く知られています。多焦点レンズの中では、EDOFレンズはハロー、グレアに関して単焦点眼内レンズとほぼ同等の見え方と言われています。
どんな人に向いているの?
- 夜の運転が比較的多い(ハロー、グレアを気にしている)
- パソコンや料理など70~50cmくらいの距離を大切にしている
- 長時間の読書などは眼鏡をかけても良い
- 角膜に乱視がある(軽度~中等度)
※シンフォニーは乱視矯正タイプも選択いただけます
■シンフォニーのまとめ
- 先進医療対象(国内承認レンズ)
- 乱視矯正も可能
- 日本では着色しか選べない
- 回析型レンズより近見視力が弱いため、老眼鏡を必要に応じて使用しても構わない方向け
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