遠近両用(多焦点)眼内レンズは、従来の単焦点レンズに対して、近くも遠くも焦点が合うように設計されています。白内障治療に加えて老眼改善も目的としているレンズです。
多焦点レンズの最大の特徴は、遠くも近くも裸眼で快適に過ごせるようになることです。単焦点レンズに比較して、手術後のメガネの使用頻度が大きく減り、快適な毎日を過ごせるようになります。しかし、全くメガネが不要と言うわけではなく、選択された眼内レンズの得意な距離以外、あるいは手元の細かな作業時など、メガネを使用する方が良い場合もあります。イメージとしては、40歳半ばの老眼の始まり世代に戻るような感覚です。
遠近両用眼内レンズを選択した場合は、自費診療となります。そのため単焦点レンズに比較して費用面の負担は大きくなります。世の中の常で、質の高いものは値段が高くなるという法則が当てはまります(笑)。軽自動車とベンツでは、ベンツが高くて当然、と誰もが納得されるでしょう。それと同様、手術後の快適さの面では、遠近両用レンズには圧倒的なメリットがあります。
シニア世代が現役として活躍することの多い時代です。100歳を超える方も年々増加しています。
裸眼視力の向上は長寿社会において長い期間、快適な生活を送るうえで最も大事なポイントの一つです。50歳くらいで遠近両用眼内レンズによる手術を受ける方が増えています。その後の50年あるいはそれ以上の人生を考えると、単焦点レンズをわざわざ選ぶことは「安さ」を優先する選択に他なりません。人生の後半を、「質の高い視力」で過ごしたいと考えることは当然です。
しかし、最近では遠近だけではなく、中間距離にもピントが合う全く新しい多焦点レンズ(トリフォーカルレンズ)が開発されるなど、「多焦点レンズ」も急速に進化が進んでいます。
当院でも、数種類の多焦点レンズを取り揃えており、患者さんの選択の幅を広げています。
しかし、車で例えると、レクサス、ベンツ、BMW どれも良い車だけれど、どれを選んだらよいの、とお悩みになる方もおられるでしょう。特に眼内レンズの場合は、入れ替えも可能とはいえ、車などと異なり満足できなかったから別のものを買いなおすということが簡単ではありません。
余りに選択肢があり過ぎても患者さんが迷われてしまいますので、当院ではそれぞれの遠近の対応方法技術の代表レンズを用意して、患者さんに選択してもらいやすくしております。
また、先進医療の制度の活用もおすすめしています。これも先の車の例に例えるなら、レクサス、ベンツ、BMW、どれも良いのですが、仮に「レクサスであれば、保険金がもらえて、実質無料で購入できます。」と言われたら、皆さんはどのような選択をされますか?
多少のブランド力の違いはあっても、多くの日本人は「無料となるならレクサスで大満足!」という方がほとんどでしょう。
日本の「先進医療」制度は、「実質無料」とすることが出来る大変ありがたい制度です。
眼内レンズの性能的な違いは多少あるとしても、先進医療に加入されている方はまずは「先進医療対応レンズ」を検討されることをお勧めします。殆どの場合、これらのレンズで大きなご不満は起こりません。
しかし、これまでに私が約1,000眼の遠近両用眼内レンズを行った患者さんで2件満足に至らず、単焦点眼内レンズへ入れ替えた患者さんがいるのも事実です。
どのような「最善」と考えられる治療手段でも、100%の「成功」にはならないのです。
たとえわずかの可能性であっても、できるだけ0%に近づけたいと医療サイドでは考えています。
以下の、様々な遠近両用眼内レンズの特徴については是非参考にしていただき、また、実際の手術を決心された際には施設の医師、スタッフと良くご相談になって眼内レンズの選択をなさってください。
繰り返しますが、全ての患者さんが100%満足する治療手段の選択は、白内障に限らずあり得ません。しかし、情報を得て、ご自身のご希望に出来るだけ沿うものを選択することで100%に可能な限り満足度を近づけることは可能だと思います。
分からないことがあれば、遠慮なく治療を受ける施設でご相談されることをお勧め致します。
単焦点眼内レンズでの見え方のイメージ
遠近両用(多焦点)眼内レンズでの見え方のイメージ
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