2017年09月13日

アトピーに危険 マーガリン

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

マーガリン (トランス脂肪酸)

チャコ: 「ではマーガリンはどうでチャコ?」

O:    「バターよりコレステロールが少なく健康にいいと、いまだに信じている人がいます。しかし、マーガリンは非常に危ない油です。常温では液体である大豆油やコーン油といったリノール酸を多く含む油を原料としています。そこに水素を添加し、天然の油であるバターやラードのように常温でも固体を保つ飽和脂肪酸に変えたものがマーガリンやショートニングです。化学式は同じでも、トランス型といって、天然にはごくわずかしか存在しない油なのです。」

チャコ: 「本来は存在しないものなのでチャコか?」

O:    「本来は殆どない物質と思ってください。ですから、天然には人類が摂取しなかったはずの油なのです。」

チャコ: 「人口産物でチャコな!」

O:    「必須脂肪酸としての機能がないため、単なるジャンク油として体内で消費されます。かつその消費に大量にビタミン、ミネラルが使われてしまいます。大事な財産が浪費されると思ってください。」

チャコ: 「放蕩息子でチャコ・・・。」

O:    「さらにアトピーにとって重要な欠点があります。このトランス型放蕩息子は悪玉エイコサノイドの一つであるプロスタグランジンE2の産生を増やしてしまうのです。そのため善玉エイコサノイドに属するプロスタグランジンE1、E3の産生を抑えてしまいます。」

チャコ: 「悪さをして財残を浪費して、さらに善玉をやっつけるとは、とんでもない放蕩息子でチャコ!!」

O:    「そのため、アトピーはもちろん、様々な炎症を悪化させます。さらに、不自然なトランス型構造の油は、細胞膜をつくるための材料とはなれません。かえって細胞膜を弱らせ、有害物質の細胞内浸入を容易にしてしまうのです。つまりバリア機能を弱めてしまうのです。」

チャコ: 「・・・とんでもない不良油でチャコ! でも、日本にはマーガリン製品があふれているでチャコ。」

O:    「この不良油、トランス脂肪酸の制限がない先進国は日本くらいのものです。まさに不思議の国・日本なのです。」

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2017年09月12日

アトピー 注意が必要な食品

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

ココナッツオイル?

チャコ: 「ココナッツオイルはどうでしょうかという質問がよくあるでチャコ!」

O:    「ココナッツオイルの60%を占めるのが中鎖脂肪酸です。分子構造が長鎖脂肪酸(先に述べた、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸などは長鎖脂肪酸)の半分ほどの長さの脂肪酸です。消化や吸収経路が、長鎖脂肪酸とは違っていますので、長鎖脂肪酸の4~5倍速く分解され短時間でエネルギーになります。」

チャコ: 「またまた、難しいでチャコな~・・・。」

O:    「難しくなってしまいますが、結論を一言でいうと、アトピーには無関係ということです。消化や吸収経路が異なっても、エイコサノイドの代謝とは関係がありません。ですから、アトピーに対する効果については、ほとんど関係がないということです。」

チャコ: 「つまり、ココナッツオイルはアトピーを改善させようとして摂っても効果がない! 反対にココナッツオイルを摂ったからといって、アトピーが悪化することもないでチャコな?」

O:    「その通りですよ。」

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2017年09月11日

アトピー対策 オメガ3をとろう!

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

肉より魚!

O:   「アトピー性皮膚炎の根治療法は、まず食事をできるだけ野菜や果物の多いものにかえ、消化の負担を減らすことが大切です。消化が良くなれば身体に毒素を残さずに『完全消化』に繋がるからです。」

チャコ: 「特に牛肉、豚肉、マトン、鶏肉といったかゆみの原因となる動物性タンパク質を多く含むものを避ける必要があるでチャコ!  また、サフラワー油(べに花油)、サンフラワー油(ひまわり油)、コーン油、大豆油、ナタネ油といったリノール酸の多い油料理を出来るだけ避けるでチャコ。」

O:   「炒め物にするより、水炊きにするという、ちょっとした工夫がアトピーを改善してくれるのです。 そしてオメガ3の不飽和脂肪酸の摂取を意図的にもっと増やし、オメガ3とオメガ6の比率をできるだけ、ω3:ω6=1:2~3に近づけることがコツです。」

チャコ: 「こうすることによってアトピーはもちろん、いろいろな病気の予防になり、また治療にもつながるのでチャコね?」

O:  「オメガ3のα-リノレン酸、またそこから代謝されてでてくるEPA、DHAは、背中の青い魚に多く含まれます。肉を食べるのなら、魚にかえてみてはいかがでしょう? しかし、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシなどの青魚は、特に重症のアトピー患者さんにはあまりすすめません。 なぜなら、魚油はヒスチジンという必須アミノ酸を多く含んでおり、それは痒み(かゆみ)をおこすヒスタミンの前駆物質だからです。 そして、ヒスチジンは亜鉛を体外に排泄する作用があります。亜鉛は皮膚にとって非常に重要なミネラルです。しかし、だからといって、亜鉛も摂りすぎてはいけませんが!」

チャコ: 「小栗ドクターのコラムにも記載されていますが、最近、魚は海洋汚染のために水銀などの有害重金属を含んでいる危険性もあるでチャコ。 小栗ドクターは、特に深海ザメのエキスやオイルなどは勧めていませんね。」

O:   「そうですね。 特に痒みの非常に強いアトピー患者さんは、症状が軽快するまでは、青魚は積極的には摂らないほうがいいかもしれませんね。 しかし、そういったものを食べて痒みが悪化しなければ、オメガ3を取る意味で食べてもらっても大丈夫だと考えます。 肉、ハム、ソーセージ、チーズなどより遥かに安全だと思います。 そして、アトピーが治っていくにつれて、青魚を食べても痒みは出にくくなります。 しかし、食べるのであればアトピー症状が強いときは白身の魚にしておいた方が無難ですね。」

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2017年09月09日

アトピー、食のまとめ②

食のまとめ②

  • 以前と比べて髪に艶がない、皮膚が乾燥しやすくなった、爪の艶とのびが悪いというようなことがおこればそれはエイコサノイドのバランス悪化兆候です。特にオメガ3系列の不飽和脂肪酸を多く含むフラックスシードオイル(アマニ油)、あるいはエゴマオイル(エゴマオイルとゴマオイルはまったく違ったものですから注意してください)かシソ油を日に大さじ2杯ほど飲んでください。
  • 魚油も推奨されます。特にDHAやEPAが多く含まれていますので脳の成長には必須です。しかし、水銀やPCBなどで汚染されている危険性があるので品質に注意なさって下さい。深海ザメの肝油などは避けたほうが賢明です。深海にはどういう重金属の汚染が沈殿しているかわからないです。
  • 注意してほしいのは、フラックスシードオイルや魚油を炒め物に使ってはいけないということです。炒め物に一番無難なのはオリーブオイル、あるいはマカデミアナッツオイルです。この二つはオメガ9系列の不飽和脂肪酸を多く含み、エイコサノイド代謝とは関係がうすいのです。
  • 以上のフラックスシードオイルや魚油をとる場合、体内での酸化を防ぐために、ビタミンEを一緒にとることをすすめるドクターがいます。経済的余裕があれば、否定はしません。しかし、必ずビタミンEを摂らなければいけないということはありません。栄養学の学者の中でも議論が分かれるところで、現時点ではまだ決着がついていません。
  • ビタミンB3 とビタミンCはジホモガンマリノレン酸から良性のエイコサノイドが代謝されてできてくるのに必要ですから積極的に推奨します。しかし、決してビタミンCをサプリメントから多く摂ってはいけません。食物からはいくら摂っても良いのですが、一定以上は身体に吸収されません。積極的に、身体の酸化を改善する目的であれば、免疫力を上げる意味でも高濃度ビタミンC「点滴」治療をお勧めします。
  • ガンマリノレン酸(γ-リノレン酸、あるいはGLA)として、あるいは月見草として、健康に役立つということで販売されています。それをすすめる医者もいます。しかし、代謝図を見てください。これからアラキドン酸を経て悪性エイコサノイドが産出されることがあります。
    お金を払ってまで、必要とは思われません。α-リノレン酸とγ-リノレン酸。アルファ(α)とガンマ(γ)の一字違いですが、ご注意ください。アルファ(α)の方が健康に貢献します。また、アラキドン酸そのものを主成分としたサプリメントも販売されています。これは、γ-リノレン酸よりも問題が多いと思われます。
  • CRP(C反応性タンパク):これは炎症の有無を調べるすぐれたマーカー! このタンパクは血液検査で簡単に調べられます。
    特に高感度CRPは今までの10倍以上の感度で、体のどこかで起こっている潜んだ炎症の有無をみつけることができます(炎症の生じている場所の特定はできません)。
    高感度CRPで、将来心筋梗塞がおこる可能性さえ予見できるといわれています。コレステロール値に一喜一憂するより、高感度CRPの値に注意を払ったほうが賢明です。正確を期すのであれば、2週間の間をあけて、二度高感度CRPの検査をすればいいでしょう。

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2017年09月08日

アトピー治療、食のまとめ①

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

アトピー治療、食のまとめ

チャコ: 「ではここで一旦、まとめるでチャコ!」

  • 不必要にリノール酸をとらないこと。具体的にはサフラワー油(べに花油)、サンフラワー油(ひまわり油)、コーン油、ナタネ油、大豆油、コットンシード・オイル(綿実油)、ゴマ油、落花生油、小麦胚芽油、月見草油、グレイプシード・オイル、といった今まで健康にいいといわれていた植物油は避けてください。
  • スーパーマーケットでも、非常に高価なエキストラ・バージン・オリーブオイルに並んで、パンプキンシード・オイルやアボカドオイルといった、特殊なオイルが売られるようになりました。 セサミ・オイル(ゴマ油)、パンプキンシードオイル(カボチャの種油)、アルガン・オイルなどには、オメガ3不飽和脂肪酸はあまり含まれていません。チアシード・オイル、ヘンプ・オイル、サチャインチ・オイルはオメガ3のα-リノレン酸を多く含んでいます。特に、サチャインチ・オイルは良いのですが、高価です。
  • 炒め物にはオリーブオイル、マカデミアナッツオイル、あるいはツバキ・オイルを推奨します。それらがない場合は、ラードやバターの方が酸化されにくいので、植物油よりもむしろ緊急避難的選択肢です。
  • マーガリンは絶対に使わないこと!  これは普通の天然の脂肪酸(シス型)とは異なり、人工的に変形された形(トランス型)の脂肪酸が使われているのです。リノール酸からガンマリノレン酸を産生させるΔ6デサチュラーゼの活性を抑え、ひいては良性のエイコサノイドも減らしてしまいます。エイコサノイドのバランスを崩し、身体にとって毒です。先進国の中で、トランス脂肪酸を最も制限していないのが日本です。
  • 外食の多いサラリーマンや学生、あるい営業マンの方!  できるだけ炒めたものはとらないことです。どんな油が使われているかわかりません。また、インスリンの過剰な分泌を促す甘いものはできるだけひかえて下さい。
  • 以前と比べて髪に艶がない、皮膚が乾燥しやすくなった、爪の艶とのびが悪いというようなことがおこればそれはエイコサノイドのバランス悪化兆候です。特にオメガ3系列の不飽和脂肪酸を多く含むフラックスシードオイル(アマニ油)、あるいはエゴマオイル(エゴマオイルとゴマオイルはまったく違ったものですから注意してください)かシソ油を日に大さじ2杯ほど飲んでください。

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2017年09月07日

“肉類” 消費増大の問題

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

“肉類” 消費増大がアレルギー体質を作る

O:   「大切な点なので、もう少しお話しします。現実の問題として、1955年には日に22.3グラムの動物性タンパク質の摂取量が、1979年には39.4グラム、2002年には45.9グラムと50年前に比べると、2倍以上になっているのです!  ここで示されている動物性タンパク質がすべて魚由来のものであれば問題は少ないのです。ところがこの増加は牛、豚、羊、鳥はもちろん、たまごや牛乳も含まれているはずです。その場合、アラキドン酸の増加が深刻な結果を引き起こします。」

チャコ: 「特に最近は、魚より豚肉や牛肉のほうが安いと、ついつい安い方を買ってしまうでチャコ・・・。」

O:   「そうですね。いわゆる“肉類”のほうの消費が大きくなっています。そして、それに合わせるかのように、喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、リウマチ、そして“がん”が増えているのです!」

チャコ: 「がんが増えると、ガ~ン、でチャコ!!」

O:   「・・・私でもそのような皆が寒くなる逆は言いませんが!?」

チャコ: 「エヘヘ、そんなに誉められると照れるでチャコ!」

O:   「・・・決して誉めてはいません。おそらくドラゴンボールの、界王様くらいしか喜ばないギャグですね。 話を戻します。
こうした病気が増えるのは、このリノール酸過剰摂取による悪性エイコサノイドの増大が原因となっていることは間違いないでしょうね。」

チャコ: 「では、チャコも良いことをいうでチャコ! 血液中のオメガ6とオメガ3の比率(ω6/ω3)を日米で比較すると、日本人では3、日系アメリカ人が12、アメリカ人が16で、アメリカの食事が圧倒的にオメガ6系統の脂肪、つまりリノール酸などが多いということがわかります。」

O:   「チャコーシェルくん、凄い! よく知っていましたね。だからアメリカ人では心・血管系を中心としたいわゆる生活習慣病をはじめ、がん、糖尿病、アレルギー疾患、それにリウマチなども日本よりはるかに多く、しかも重症なのです。」

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2017年09月05日

再びリノール酸問題!

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

再びリノール酸問題!

O:    「もう少し考えると、いっそのこと悪性エイコサノイドの元であるリノール酸をはじめからとらなければいいのではないかと、思いませんか?」

チャコ:  「思うでチャコ!」

O:     「そこで、 7月14日の “かゆみの原因、リノール酸の問題 を思いだしてください。1960年代、つまり半世紀ほど前、動物性脂肪のバターやラードをやめて、植物油やマーガリンにしようという“リノール酸神話”が生まれました。リノール酸にはコレステロールを下げる効果があり、積極的に摂取することを勧められた時代がありました。動脈硬化を予防し、血液をサラサラにする効果があると信じられていました。
その神話は1991年に発表されたフィンランドの研究で、完全に崩れ去ったはずなのです。しかし、今でもその神話が尾をひいているようです。アメリカ国立予防衛生研究所の脂質栄養学の専門家ウイリアム・ランズ教授によると、先進国でのリノール酸摂取は、必要量の10倍にもなっているそうです。

日本人の場合、多少それよりもましですが、日に2グラムで十分なところをその5倍はとっています。現代人はあまりにも過剰のリノール酸をとり過ぎているのです。

先の図からも理解いただけると思いますが、リノール酸からは善玉のエイコサノイドも生成されます。すべてのリノール酸をカットしてしまえば、いいものまでいっしょに失われ、これもバランスが崩れ、健康を害します。しかし、現実はそれ以上にリノール酸を摂り過ぎていることが、やはり問題だと考えられますね。」

チャコ: 「となると、やっぱりチャコが必要とされるでチャコな!」

O:    「また、日本人の動物性タンパク質の摂取量がこの50年間に急激に増えたこともお話ししましたね。それに伴いアラキドン酸の摂取量も増えているはずなのです。」

チャコ: 「7月19日の“動物性たんぱく質の食べ過ぎ!” たまごの食べ過ぎの話も思い出すでチャコ!」

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2017年09月04日

インスリンと悪玉エイコサノイド

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

インスリンと悪玉エイコサノイド

 

チャコ: 「こうしてみると、納得でチャコ!」

O:    「逆に悪玉の活性を高めるのが、インスリンです。」

チャコ:  「インスリン? 糖尿病で血糖コントロールに注射するインスリンでチャコか?」

O:    「そうです! 血糖の調整のために拮抗して働くホルモンがインスリンとグルカゴンです。」

チャコ: 「糖尿病と悪玉エイコサノイドが関係あるのでチャコか?」

O:    「なかなか理解が良いですね! Ⅱ型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)の多くでは常にインスリンが過剰に分泌されています。そのため糖尿病患者さんには炎症性の悪性エイコサノイドが過剰に産生されるのです。」

チャコ: 「インスリンは悪者でチャコな。でも血糖を下げるためにはインスリンが必要でチャコ!」

O:    「そうなんです。甘いものが健康に良くないといわれますね。甘いもの、すなわち糖分です。 “甘いものを沢山摂る → 糖分増加 → 血糖上昇 → 血糖を下げるためにインスリン増加 → Δ5デサチュラーゼ増加 → 悪性エイコサノイド増加“  なりますね!」

チャコ: 「なるほどでチャコ! 糖質制限すると、悪性の栄子さん(エイコサノイド)を増やさずにすむのですね!」

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2017年09月03日

悪玉エイコサノイドは、アラキドン酸から代謝される

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

炎症性の悪玉エイコサノイドは、アラキドン酸から代謝される

チャコ:  「EPA、新聞のサプリメントの広告でよく見るでチャコ!」

O:     「複雑なのはオメガ6系列の  リノール酸→ガンマリノレン酸→ジホモガンマリノレン酸という経路からできるエイコサノイドです。」

チャコ:  「・・・名前を覚えきれないでチャコ!?」

O:     「無理に覚えなくてよいです。でも興味を持っていただいた方のために、オメガ6系列の代謝にのみ焦点を絞った次の図参照して下さい。」

チャコ:  「リノール酸から、善玉と悪玉の両方のエイコサノイドができるのでチャコな!」

O:     「また、リノール酸とリノレン酸は混同しやすいので注意して下さい。英語でも、linoleic acid 、linolenic acidとたった一字ちがいです!」

チャコ:  「これは小栗ドクターでなくても、難しくて赤点取るのがフツウかも、でチャコ!」

O:     「赤点の話はここまでとして・・・!  活性の強い炎症性の悪玉エイコサノイドは、アラキドン酸から代謝されます。図を見てもらいたいのですが、ジホモガンマリノレン酸からアラキドン酸の産生を少なくしてやれば、悪玉が増えません。それには、Δ5デサチュラーゼという酵素の活性を抑制することです。この役目をはたすのは、先ほどのEPAとグルカゴンです。」

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2017年09月01日

アトピーだけでない、殆どの病気の原因はエイコサノイド?

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

エイコサノイドが殆どの病気の原因!?

O:   「高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、喘息、リウマチといった慢性疾患や生活習慣病、がん等々は悪玉・栄子さん(エイコサノイド)が関係します。つまり、ほとんどの病気は悪玉・栄子さんが問題を起こしているのです。」

チャコ: 「全国の “栄子さん” 、何も恨みはありませんが、ゴメンナサイでチャコ!?」

O:    「・・・読者の理解を深める為に、栄子さん、ご協力ください(笑)  病気とは細胞膜のレベルで考えると、エイコサノイドのバランスが崩れ、悪玉エイコサノイドが善玉エイコサノイドに勝ってしまった状態、しかもそれが慢性的に善玉が敗北している状態と言えると思います。」

チャコ: 「善玉・栄子さん、ガンバレー、でチャコな!」

O:    「ω(オメガ)3系列、ω6系列、どちらの系列からも善玉、悪玉のエイコサノイドが代謝されます。しかし、ω6系列からのアラキドン酸から代謝されてくる悪玉エイコサノイドの方がω3系列からの悪玉エイコサノイドより作用が強いのです。強さの順位を付けると、TXA3 < TXA2となります。またロイコトリエンのLTB4、LTC4、LTD4、LTE4などのアレルギーに深くかかわりあう活性の強い悪玉エイコサノイドもアラキドン酸から代謝されて生成されます。特にLTC4、LTD4、LTE4 はヒスタミンなどよりも100~1000倍も強力であるといわれています。

チャコ: 「どこでも強さの順位があるでチャコな・・・」

O:    「また、ω3系列の脂肪酸EPA(エイコサペンタエン酸)からのPG3とTA3は、ω6系列からのアラキドン酸への代謝を抑制してくれます。」

チャコ:  「エイコサペンタエン酸はいい人でチャコな!」

O:    「そうです。EPAはサプリメントなどで良く耳にすると思います。EPAは善玉エイコサノイド優位にします。普通の状態では人体に有利に働く応援団と考えて下さい。」

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2017年08月31日

2017年8月30日(水)の中日新聞に小栗の加齢黄斑変性に関する記事が掲載されました!

好評の高濃度水素吸入療法が全身の代謝を改善して重金属の対外排出にお役に立つ可能性があります!!

9月末まで、受診された方には体験割引キャンペーンを行っておりますので、ご心配な方は是非一度ご体験ください☆

加齢黄斑変性に関する記事

2017年08月30日

アトピー、エイコサノイドにも善玉、悪玉が!!

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

エイコサノイドにも善玉、悪玉が!!

チャコ: 「頭痛にも、栄子さん(エイコサノイド)は関係する物質ですね! この生化学の勉強で小栗ドクターも頭痛を起こしたようで、何せ、赤点の実績ですから、皆さんも無理に読まなくてよいでチャコ!」

O:   「・・・チャコーシェルくん、これ以上、余計なことは言わないように!  本題に戻りますよ!!  ホルモンの作用の説明をする際に、“拮抗(きっこう)” という言葉が良く使われます。

例えば、糖尿病では “インスリン” が大切ということは良く知られています。インスリンは糖の代謝にかかわるホルモンで血糖を下げる作用があります。これと反対に血糖を上げるホルモンもあります。グルカゴンです。インスリンとグルカゴンは互いに反対の作用を行いながら血糖を調節しています。このように、お互いが反対の作用を持って、血糖調整するような働きを“拮抗” と呼んでいるのです。」

チャコ: 「拮抗とは、反対の作用ということですね。お互い反対作用のものが必ず存在して、上手くバランスを取っているんでチャコな!」

O:    「その通りです。エイコサイノイドにもいろいろありますが、それぞれの役目があります。拮抗しながら、細胞レベルで刻一刻と隣接する細胞や組織のミクロ的環境調整を休むことなく対応しているのです。 実に働き者です。チャコーシェルくんのようですね!」

チャコ: 「・・・先生、反撃に出たでチャコか!? チャコも働き者・・・だと思うでチャコ!?」

O:    「はい、でも働き者でも、“良い働き者”、“悪い働き者” の2種類があると思ってください。もちろん、チャコーシェルくんは、身体の解毒をしてくれる、良い働き者です!!

エイコサノイドも、“良いもの(善玉)”、“悪いもの(悪玉)” に分けてみましょう。炎症を緩和させる抗炎症作用を持つものを“善玉”、炎症を悪化させる作用のあるものを“悪玉”、というように分類しますね。専門的にはそう簡単には二つに分けられないのですが、おおむね以下のように、善玉、悪玉をご理解ください。」

  • 善玉エイコサノイドの作用

抗炎症性、血管拡張、血小板凝集抑制、免疫力増強、がん抑制、アレルギー症状寛解

  • 悪玉エイコサノイドの作用

炎症性、血管収縮、血小板凝集促進、免疫力低下、アレルギー症状増悪

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2017年08月28日

アトピー、脂肪の代謝

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

チャコ: 「脂肪も大事なのですね!  昔、小栗ドクターが学生時代に赤点を取った生化学の分野ですね! 小栗ドクターが“電話帳”(のように分厚くて読みたくない!)と呼んでいた、生化学の教科書、“ハーパー生化学”から、 代謝図を抜き出したでチャコ。 最後のグリーンの文字がエイコサノイド(栄子さんの移動)!」

O:    「チャコーシェルくん、余計なことは言わないように! ちゃんと追試で合格しましたから(笑)。 でも学生時代、生化学は(も?)チンプンカンプンでしたよ!?  臨床医になってから、その必要性を感じて再勉強しました! 必要に迫られると人間、勉強するものです!?」

エイコサノイド

チャコ:  「PGがプロスタグランジン、PGIがプロスタサイクリン、TXがトロンボキサン、LTがロイコトリエン、LXがリポキシンです。まだ他に様々な種類があるでチャコが、これ以上は専門的になるので省略するでチャコ!」

O:   「そうですね。このあたりは医学部の学生も苦労して覚えさせられる部分です。一般の方で、理論までは不要と思われる方は読み飛ばしてもらって結構ですよ。頭痛を起こしたら申し訳ありませんので!」

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2017年08月26日

栄子さんの移動 = エイコサノイド

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

栄子さんの移動 = エイコサノイド

チャコ: 「今回は、“栄子さんの移動”、の話ですね。栄子さん、クビになるのですか? 可哀そうかも・・・!?」

O:   「・・・、チャコーシェルくん、そう言ったオヤジギャグを言っていると女子に嫌われますよ・・・。」

チャコ: 「小栗ドクターの真似をしただけでチャコ(笑)」

O:    「ドキッ! でも、そのゴロ合わせ良いかも!」

チャコ: 「ヒットでチャコか?」

O:    「エイコサノイドの話ですね。 “栄子さんの移動”、すなわちエイコサノイドとは、必須脂肪酸が代謝されて細胞膜でできる最終の物質のことです。 必須脂肪酸が変化(移動)してエイコサノイドに変わります。 エイコサノイドは、生成されたその細胞や細胞膜の近くで強力なホルモンのような働きをします。 ギリシア語でeikosiは20を意味しますが、エイコサノイドは、化学構造上、骨格に炭素原子を20もつものです。」

チャコ: 「必須脂肪酸が移動して栄子さんになんのですね!? そして、できた場所で生理活性物質であるホルモンのように働く、つまり局所的に作用するホルモンでチャコか!」

O:   「そうですね! ではホルモンとは何でしょう?」

チャコ: 「大辞林によると、“体内の特定の組織または器官で生産され,直接体液中に分泌されて運ばれ,特定の組織や器官の活動をきわめて微量で調節する生理的物質の総称。甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモン・雌雄性ホルモンや,昆虫の変態ホルモンなど” と書かれているでチャコ!」

O:   「なかなかさえてますね! このエイコサノイドができるには、脂肪、特に人体で合成することのできない必須肪酸を含んでいる脂肪が必要です。 最近はコレステロールや中性脂肪がまるで諸悪の根源のように敵視されていますね。 でも、全てが悪ではありません。 特にエイコサノイドの産生に深く関係しているのが、オメガ3(ω3)系統とオメガ6(ω6)系統の不飽和脂肪酸です。」

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